ガチで作られてる親子間スマートフォン貸与契約書の「ここが良い!」と思うところ

親子間スマートフォン貸与契約書

元ヤフー執行役員・村上臣 氏がお子様と締結した「誓約書 兼 スマートフォン貸与契約書」が話題。

インターネット上にはこの類の書類雛形が最近増えてきているようだが、同氏の作成した書類はそれとは全く異なります。

まさに、ガチ契約書。

その内容は既にSNSなどで話題になっているので、今更細かく紹介はしないが、「この契約書のここが良い!」と思えたところを改めて紹介しようと思います。

親と子と甲乙で表記

______(以下、甲という)と_______(以下、乙という)は、甲が貸与するスマートフォン(以下、端末という)の利用等に関して、次の通り合意したので本契約を締結する。

出典:Shin Murakami

「これは約束事」ではなく「契約」ということを思わせる一番のポイントは、親と子をそれぞれ甲乙で表しているところ。「形として」ではあるが、これによって双方同位の契約ということが印象づけられます。父子という書き方だと、どうしても親の命令感が否めなくなってしまうし。

「基本」は家族との連絡用

第二条(端末の利用)
(1項)基本は、家族との連絡用としてのみ利用するものとする。よって、家族からの着信(電話、メール等)があった場合は必ず返信をすること。

(5項)LINEは、家族および学校関係の友人の間で最小限の利用を認める。ただし、知らない人、直接あったことのない人(友達の友達等)とは友だち登録をしない。

出典:Shin Murakami

第二条1項に、「基本は家族との連絡用に使う。だから、家族からの連絡には必ず応答せよ」という条文がある。更には第二条5項では「学校の仲間でLINEの使用を認める」とも書かれています。

ハッキリと使用目的を明示することで、家族の連絡が最優先ということを明示的に本人に理解させることが出来るし、LINEの登録範囲を指定することで、本人に「コレは契約違反だ・・・」と意識づけさせることも出来る。

アプリの利用は交渉次第

第二条(端末の利用)(4項)利用したいアプリがあるときは、乙から甲に申し出る。甲に無断でダウンロード利用はしない。

日々新しいアプリがリリースされる今、新しいアプリが欲しくなるのは当然至極。一方的にこのアプリしか駄目と決めるのではなく、子供が親に交渉できる機会がある。

ただ欲しいと言うだけではおそらく認めてくれないと思います。「コレを使うことで、どういうメリットが有る。」ということをしっかりと伝えないと認められないだろうが、その交渉の機会があるということが素晴らしいと思う。

駄目と押し付けると、勝手にダウンロードしてくるからね。

子供のことを第一に考えた諸注意

・面と向かって言えないことは、メールやLINEでも言わないこと。喧嘩になりそうなときは直接会って話すか、電話を利用すること。

・インターネットに公開されている情報は有益だが、嘘の情報も多く含まれていることを理解すること。正しい情報を得るために、図書館や書籍、または大人を活用すること。

・一度インターネットに公開された情報は、一生消すことはできない。たとえ友だちだけに送ったとしても、そこからどうコピーされるのかまでは自分でコントロールはできないことを理解すること。

出典:Shin Murakami

契約書第二条6項には、使用上の注意事項がいくつか記載されているが、個人的にこの3つについて、すごく良い!と感じた。

喧嘩になりそうなときに会って話すのは、ガチ喧嘩になる可能性も含めてそれを推奨しているのだと思うし、会ってしまえばなんとなくその場で収まるということもあると思う。

それに、ネットの情報に嘘があるという事実や、公開された情報を消すことができないというのは、大人でも失敗した経験がある人も多いのではないでしょうか?

親が確認できる監査項目がある

第5条(監査)(1) 甲は必要に応じて、端末の一切の情報を確認することができる。実施の際は乙のプライバシーを最大限に尊重する。

出典:Shin Murakami

これについては賛否が別れるところかもしれませんが、この場合のお子さんはまだ中学1年生。普通に使っている分に内容を細かく監査する必要はないが、いろんな事に興味が出てくる年頃。それがその年の子供として正常な範囲であれば問題はないだろうが、それを逸脱してしまっているようだと、やはり親が正さなければいけないと思う。

このプライバシーを最大限に尊重するという点については、たぶんお母さんとか、そういった他の家族のことも含めて、「父と息子の間でのプライバシー」だと思います。

僕自身男ですが、父親にはバレてよかったことも、母親にはバレてほしくなかったり。特にムフフなネタはそうでした。

それに、本契約書ができ上がるに至った経緯が紹介されているブログでこのような記述が。

そこは契約書とは関係なく、お風呂に入ったときに、「エッチなのに興味をもったら、こっそり俺に言えよ」と(笑)

出典:元ヤフー執行役員・村上臣がお子さんに渡した「誓約書兼スマートフォン貸与契約書」がガチだった

たぶん、この家庭ではムフフなネタが仮に暴露したとしても、お母さんが知ることは無いと思います。

定めのない事項は相談して決めることも出来る

第8条(協議事項) 本契約書に定めのない事項が生じたとき、または各条項の解釈につき疑義が生じたときは、甲乙が誠意を持って協議の上解決する。

出典:Shin Murakami

親が子へルールとして押し付ける場合、言われていなかったことが発生した場合、大抵は「駄目!」となることが多いと思います。また、親と子の解釈が違ったときも、基本的には「親だから」という理由で親の解釈が優先されると思います。

しかしこの契約書では、「双方で協議する」と定められています。

これにより、双方の申し出に対し、可(または不可)とする正当性のある理由を提示しなければいけません。親だからって、一方的に禁止したりすることができなくなるわけです。

無料でダウンロードできます

ここで紹介したのはごく一部。全文のテンプレートは以下からダウンロードができ、各家庭にあわせて、事由に改変も出来るとのこと。

Google Driveからダウンロード 誓約書兼スマートフォン貸与契約書

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